KSP

TAKESHI UCHINO

株式会社ケイエスピーエンジニアリング内野健司

ショップの中でデビューを待つフェラーリのエンジンがあった。 お話を伺い、このエンジンが今後どうなるのか、このエンジンを積んだ車をどんなふうにしていきたいのかを知ることができた。 そこにはKSPのスピリッツが十分詰め込まれているのだと感じた瞬間、ひんやりとした金属の塊にはどうしても見えなくなった。 ドラッグレースで培ったノウハウが詰め込まれた夢の心臓。 この心臓を積んだ車がデビューする日をファンの一人として待ち遠しいとすら感じてしまう。

弊社の技術を頼ってくださったからには、ちゃんとお応えしたいですから。

KSPの歩みを教えてください。
元々弊社の代表が機械加工をやっていたんですよ。 KSP(カトリスペシャルパーツ)のオリジナルパーツを開発するために構えた工場がそのままショップになったのがスタートです。 だから最初は部品の制作やOEM供給をしていたんです。 だんだんパーツの開発からメンテナンス、チューニングをするようになり、最近だとお客様からの需要もあって中古車の販売も始めました。
現在のメイン事業はパーツ販売になるのですか?
通販部もあるのでパーツの販売もしているのですが、メインはチューニングやメンテナンスですね。
オリジナルパーツはどのような物があるのですか?
ワイドトレッドスペーサーって実は弊社が先駆けなんですよ。 25年くらい前に弊社の代表が「ワイドトレッドスペーサー」という名前を付けて商品化したんですけど、今はカスタム好きの人であれば知っている部品になりましたね。 商品は国内生産しているので精度はかなりシビアに作っています。
トロフィーが沢山あるのですが、何かの大会に出られているのですか?
RX-7で2001年に出たドラックレースの大会でチャンピオンになりました。 ブロック大会を勝ち上がった人が仙台で日本一決定戦に参加していて、弊社もそこに参加していたんですよ。 その他もフェラーリのレースに出たりしています。 今はフェラーリやNSXばかり扱っているんですけど、当時はRX-7をレースチューニングしてレース参戦していました。 弊社のエントリーした車やデモカーに関しては、国内より海外で認知度があったりするんですよ(笑)
フェラーリのレースにも出られるのですか?
過去にもフェラーリにワンオフでターボをつけたりしていたんですよ。 今もフェラーリのエンジンが店内に置いてあるでしょう? 前からフェラーリトロフィーっていう大会に出ていたんですけど、しばらく忙しくて手を付けていなかったので、来年は参加しようかと思いエンジンをチューンナップしているところです。 戸田レーシングさんに協力していただいて、コンロッドやピストンやカムを変えたんですよ。排気量も違うので早くテストしたいと思っています。 これができあがったらエントリーしようと思っています。
お客様もレース参戦される方が多いのですか?
今はそんなに多くはないんですよ。 街乗り用だけど見栄えを良くしたいというお客様もいらっしゃいます。 弊社が最近レース参戦していなかったので、来年からレースに出始めたらそういったお客様も増えてくるのかな?と思っています。 レース用のチューニングノウハウをお客様にフィードバックできるところが弊社の強みでもありますからね。 お客様の車のチューニングだけでなく、レースサポートに回ることもあるんですよ。
サポートとはどのようなことをされるのですか?
かなり前ですけど、D-1に出ていた村尾真吾さんがRX-7に乗っていたので、彼の車のエンジンを作ったりしていました。 人間性のしっかりした人だと弊社としても応援したくなるんですよね! やっぱり弊社の技術を頼ってくださったからには、ちゃんとお応えしたいですから。
チューニングにカスタムにとものすごい強みをお持ちですね。
フェラーリやランボルギーニをお持ちのお客様だと、レース参戦はもちろんそれ以外でも何かトラブルがあって弊社にたどり着く方が結構いらっしゃるんですよ。 そこできちんとした修理をして車の調子が良くなると「実は〇〇がしたかったんだよね~」とご相談いただくことがよくあるんです。 そういった面では強みが活かせているのではないかと思います。
フェラーリの他に何台かNSXがファクトリーに入っているのを見かけました
NSXに関してはかなり古い車もあるのでレストアして復活させているんですよ。 車種としてはすごく良い車種なので良い状態で残したいですからね。
なぜフェラーリとNSXに特化されたのですか?
フェラーリは車業界の中でもちょっと閉鎖的な車種で、情報があまり出てこないんですよ。 もう自分たちで何とかするしかないという状況だったので、バラバラにしてみたり組み直してテスト走行をしてみたり、色々手を加えながらノウハウを26年かけて蓄積していったら答えられない質問はなくなったんですよ。 それがお客様の間に広まっていったので依頼も増えて結果的に特化する形になったんじゃないかと思います。 NSXに関しては発売された当時代表が「これを買う!」って決めていたんですけど、予約しても待ちの状態だったんです。 新車価格で1000万オーバーの車だったんですけど、購入してすぐに開発が始まったのですが、それなりの値段がついている車だったのでNSXオーナーの中に「NSXをカスタムする」という方が少なかったんですよ。 そんな中、弊社の代表が車体に穴をあけてロールバーをつけたり、マフラーを変えたりしていて、サーキットを走っていたんです。
先駆者になってあまり人がやっていないことを始めるというところに男気を感じます!
スペーサーのアイデアにしろ、NSXのカスタムにしろ、思いついたことをやり切るのは凄い人だと思っています。 もちろんそれを形にしてくれるメカニックやスタッフがあって実現していることなので、弊社のメンバーはものすごくスキルが高くなってくるのも必然なんだということも実感しているんですよ。
内野店長もレースのドライバーとして乗られるのですか?
前は乗っていましたよ。 ドラッグレースも「GTRが早いから勝ちたいならGTRに乗ればいいよ」といったアドバイスを色々な人からいただいていたんですけど、チューニングをするプロショップにいる人間なので、違う車でも性能を極限まで上げたらGTRと互角になれるんじゃないか?と思ってRX-7に命かけてチューニングをしていましたね。 若かったですからバカみたいに熱かったんですよ(笑)
ちなみに内野店長はKSPのスターティングメンバーなのですか?
ほぼスターティングメンバーです。 代表が起業してから1年は待ったんです(笑) 車好きでとにかく車に携わって仕事がしたかったので、いつでも行けるようにガソリンスタンドでバイトをしていました。 18~19歳の頃ですね。ここに入社して気がついたら26年なんですよ(笑)あっという間ですね!
26年で接客スタイルは変わりましたか?
そんなに変わりませんよ(笑)素の状態で接客していると思いますよ! そんなに人見知りとかもありませんし(笑) プロショップだからこそのノウハウはお伝えしますけど押し付けたりとか、この車以外やらない!とか、偉そうにすることもKSPのスタイルではないですから。 あくまで今まで蓄積した経験に基づいてお伝えしているので、頑固一徹みたいなところは全くないですね!
今後やってみたいことはありますか?
フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェのチューニングをきっちりできるチューニングショップってまだまだ少ないんですよ。 国産車のようにツールが整っているわけではないので、メンテナンスだけじゃなく制御系コンピューターを含みそこを整えていきたいですね。 そこができればオンリーワンのショップになれるんじゃないかと思っています。

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