車の匠 No.236 ステップオン/千葉県流山市/染野広治

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STEP ON

KOUJI SOMENO

ステップオン

染野広治

染野代表は車を「生きもの」「女性」と言った。 そのキーワードを聞いた後、ガレージにある車全てが素敵な女性に見えるような錯覚に陥った。 メンテナンス中に撮っている写真はまるで素敵な恋人との記念写真のように感じらる。 こんなに大切にしてくれる人なら、大切な車が不調な時に頼りたいときっと思うだろう。

取材:サイバーブレーン朝妻

昔から車は「女性」だと思って扱っているんです

見たことのないようなクラッシックカーが入っていますね!

ここをオープンしたのは平成3年頃なのですが、クラッシックカーがメインになったのは16〜17年くらい前からなんですよ。 それまでは当時のAE86のレースカーや、ドリフト用の車両のメンテナンスをしていた時期もあったので、シルビアのS14とかFDとか180がガレージに並んでいた事もありました。 つくばの最速戦に出るようなお客様からの依頼も多かったね。

そこからクラッシックカーに移行されたきっかけは?

元々お付き合いのあったお客様がドクターでそのコミュニティのお客様だと現行のポルシェやフェラーリを持っていたりするのですが、やはり飽きてしまうんですよ。 そうすると逆行するんですよね(笑) 個性的なものであったり差別化を図れる車に乗りたいと思われるお客様もいらっしゃるわけで、最初はヒストリックカーで1960年代〜1970年代の車を選ばれるんですけど、そこで面白さに目覚めてしまうと次のステップとして今ガレージにあるような車に乗るというのが傾向として見られます。 そういったお客様からのメンテナンス依頼がきっかけで現在の状況になっていると思います。

希少車の風格を感じます!

今メンテナンス中なのはイタリアのスタンゲリーニという車なんですけど、これはワンオフに近い車ですね。 当時のレース用の車なんですよ。 去年の暮れにイタリアから持ってきて、車検を取って日本のナンバーを付けているんですけど、お客様からのリクエストで仕様を変えたりしています。 たぶん世界中探しても2台〜3台くらいしか無いんじゃないでしょうか?

こういった種類の車のメンテナンスがメイン事業になられていらっしゃるのですね。

お客様の中でラ・フェスタ ミッレミリアに出られる方もいらっしゃるのでメンテナンス+モディファイがメインになりますね。 極端に古い車だと部品もないので、部品を作る場合もあるんですよ。

部品は染野代表がお作りになられるのですか?

私で作れる物は作りますけど、私が作れない物は図面を作って機械加工をしてくれる会社に依頼をかけています。 形が壊れていない物に関しては部品のCADデータを作ってもらう場合もありますし、原形が無い物だと金型からおこす場合もあるんです。 当時と同じ型を作らないと車の価値が下がってしまうんですよ。 こういった車に携わっているからには、当時のままに復元してあげたいという気持ちはありますよ。

そこがステップオンでの一番のこだわりの部分なのですね!

私のこだわりでもあり、私だけのこだわりではないかもしれません。 今まで車を所有していたオーナーやメンテナンスに携わってきたエンジニアが残してくれた軌跡があって現在の状態がありますよね? こういったクラッシックカー1台を見てきた人たちのこだわりなのではないでしょうか? 現在の道路状況に合わせてCPUや色々な物を付けてしまったらクラッシックカーじゃ無くなってしまいますよね? 私は「極力当時と同じ形の部品」「当時と同じ乗り味」を再現すること、この車を生かしてきた人たちの意思を尊重して、最大限にポテンシャルを再現することが使命なのではないかと思っています。

お客様と共通のこだわりを持って車を作り上げていくというイメージができました。

そうですね。 クラッシックカーも二極化していて、外見はクラッシックカーだけどユーノスのミッションに積み替えたり、エアコンのない車にエアコンを付けたり、現在の事情に合わせるかたもいれば、元の乗り味や音をそのまま再現したい方もいるんですよ。 私にご依頼くださるのは後者のお客様が多いので、お客様と一緒に車を作りあげているイメージはとても近いと思います。

工場内を拝見して作り上げている車に「こだわり」+「愛情」が見えますね!

愛情っていうのかな?(笑)昔から車は「女性」だと思って扱っているんです。 お客様にも車を女性だと思って扱って欲しいなって思うんですけど、お客様全員にそうしてくださいと言うのは無理なんです(笑) 車は「女性」であり「生きもの」。 車をただの道具って思ったら扱いも雑になるし、乱暴に扱えば傷つきますし、壊れやすくもなるでしょう?

車=「女性」カッコいいです!!!

現代の車はCPUが入っているから、センサーでどこか故障個所が発見されると二次災害防止のために100%の力を30%くらいに抑えたりしますよね? クラッシックカーは全部ダイレクト。 通電しなくなったらストップするんです。ONとOFFがはっきりしているんですよ。

現代の車のように車両に関するマニュアルブックが無い車もありますよね?

それはたくさんありますよ。 クラッシックカーの特性を知って、個体を知って、生きものと同じように接していれば壊れた個所を車が語り掛けてくれます。 実は私の師匠が1番最初に教えてくれたことでもあるんですよ。 「生きものだと思って接していたら、車はたくさんのことを教えてくれる」ってね。 だからきちんと接して車の声が聞けたら、車両に関するマニュアルブックが無くてもそんなに難しくはないんです。 オーナーさんにお断りしたうえで一度バラバラにして、写真を撮りながらアルバムを作っていると壊れている部品や壊れそうな部品がわかります。 それを繰り返していると現代の車とは違った意味で私にいろんなことを教えてくれるんですよね、 それが1番の楽しみの部分でもあるんですよ。

だんだんガレージにある車が素敵な女性に見えてきました!

亭主関白なんて言葉があると思うけど、私自身メンテナンスをしたからと言って自分が上の立場だとか思った事はありません。 対等につきあって語り掛ければ言葉はなくても態度で答えてくれますよ。 そのスタンスを理解してくださって車を預けてくださるお客様には感謝しています。

きめ細やかにアルバムを作られたりしているとお客様も定期的にメンテナンスに預ける時に安心ですね!

今みたいにスマホがないときは全部手書きでしたよ! 文章も書いて、絵や図も書きながら残していました。 その蓄積があるから、どこまでやったらすり減るとか割れるとか分かるようになりましたね! 知識の蓄積ができることも楽しくてしかたないんですよ!

そもそものお話になるのですがどうして車好きになられたのですか?

昔から機械が好きで時計をバラバラにして組み立てたは良いけど動かなくて怒られたりしていました。 父親が建設関係の仕事をしていたのでそこに勤めていたのですが、車の免許が取れるようになって、私の世代は車の専門学校に行くよりも実務や経験がものをいう時代だったので、ダートラやラリーなどのレースをやっているような会社に修行に行っていました。 最初は車に乗ることが好きだったのですが、自分の車を触ったりしているうちに車との付き合いができる仕事がしたくなって30年くらい前に起業をしました。

今後やってみたいことはありますか?

死ぬまで車とかわらない付き合いがしていきたい。 実は、私この仕事ををしているにもかかわらず「ビジネス」としてあまり考えたくないんですよ(笑) ビジネスとして儲け主義に走るより大切な事ってあるから。 先代のエンジニアたちの意思であったり、保有していたオーナーさん達の想いだったり・・・ そういうのを良い状態で残していきたいですね。

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