THserviceを立ち上げられた経緯を教えてください。
実は去年まで別の業種で仕事をしていて、中国に5年間行っていたんです。 そこでは、紙コップやアルミで作られている使い捨ての鍋焼きうどん用の食品容器を生産する為のラインを構築する仕事をしていたんですよ。 本業があったので、本当は仕事にするつもりもなかったんです。 趣味の範囲で車を直したり部品を交換したりしていたら、友人の依頼やそこからの口コミでどんどん広がってしまって、ここまで広がったなら日本で自分のやっていた事をビジネスにしようと思い、2016年9月に帰国してTHserviceを立ち上げました。
オートサロンに出展されていたのをおみかけしましたが、反応はいかがでしたか?
海外の自動車部品メーカーから、日本での市場がまだ未開拓と言う事と私も海外で部品生産のパイプが欲しいという希望がマッチしたので提携してやってみようと言う話になり、オートサロン出展をする事になりました。 海外プロダクトの説明を聞きたくても、日本では言葉の壁があってなかなかブースに入りづらいと言う事もありますし、海外企業の考えとしても、オートサロンに出るなら日本の会社と一緒にやりたいという希望があったようなんです。 おかげさまで今年のオートサロンはエンドユーザーさんや業者さんにお声掛け頂きましたね!
業者からはどのような依頼を受けましたか?
オリジナル部品を作りたいとのご依頼で、作りたい原型の部品を送って来てくださいました。 日本で制作をするとコストもロット数も1ケタ違うんですよ。 そういったお悩みを抱えている企業さんからご相談を頂く事が増えましたね。 弊社で出せない部品、持っていない部品の依頼があれば違う業者を案内する事もあります。 弊社だけの利益を考えてもしょうがないんですよ。 エンドユーザーさんの車が直る事が優先じゃないですか(笑)
現在の事業内容を教えてください
国産の1960年~1980年の車は今部品がなくて車検を取るのも難しい状態なんですよ。 そこで、今は入手困難な部品の開発と生産に関する業務を行っています。メーカーに直接注文しても部品1つでは生産していないのですが、販売当時の部品を作っていたメーカーには型もデータもあるんです。特殊なルートなので、個人ユーザーへの少ないロット注文は受けてくれません。 そういった企業とのパイプを少しでも多くつなげているので、イメージとしては生産していない部品の再生産と販売元という感じですね!
どのような部品の取り扱いをされていらっしゃるのですか?
ウォーターポンプのようなエンジンに関連する部品やブレーキに関連する部品、外装に関する内容だと窓枠についているゴム等ですね。 エンドユーザーへの販売だけ!といった縛りは特に考えていないので、カスタムショップと業務提携をして商品を卸す事もあります。
倉庫にかなりの量の部品がありましたが、全て注文販売で予約の入っている物なのでしょうか?
倉庫にストックしてあるのは、私がこの部品は注文が来そうだなと予想してストックしてあるものなんです。 注文が来てから生産ではお客様にお待ちいただく時間が長くなってしまいますからね。 在庫としてストックしてあるものは出来る限り当日発送で対応しています。
どうして部品に的を絞ったビジネスをしようと思われたのですか?
日本の部品の供給網はかなり閉じていると思いませんか? そこに課題を感じたので部品にフォーカスしたビジネスをして行こうと思ったんです。 日本だと純正部品でなくてはダメといった流れがあると思うんですけど、海外は逆なんですよね。 色々なメーカーが社外品を生産しているのですが、品質にばらつきがあるのも正直な所です。 元々私も旧車を直したりするのが好きで、部品を調べたり試しにつけてみたりしている間に仲間から「部品が無くて車を直せない!困っちゃった!どこか○○の部品売っている所を知らない?」と聞かれたことからスタートしている兼ね合いもあり、品質の良い物を探してくるのは得意なんですよ。 私が探してもどこにもない物は自社で生産が出来るようにしました。 旧車って好きな人にとっては何にも代えられない宝物ですからね!
自社の強みを教えてください。
ビジネスとしての目線ももちろんあるのですが、昔から車好きで自分が車をいじっていたので、旧車を所有するオーナーとしての目線で商品開発をしたり出来ることですね。 こだわりのポイントって車好きじゃないと分からないんですよ! 海外に部品の依頼をかける時って商社にコンタクトするじゃないですか? 商社は車好きじゃなくても「現地の言葉が分かる」と言うだけで取り次いでいる部分が大きいと思うんです。 そこにハートがないと細かいニュアンスが伝わらないんです。 私の場合自分で現地に行くので、車好きのこだわりポイントを伝えられるじゃないですか! だから生産できた部品の品質も良い物が出来ていると思いますよ!
生産は中国がメインなのですか?
中国もありますし、タイもあります。
何カ国語話せるのか伺っても良いですか?
3カ国語です(笑)日本語、中国語、英語ですね。 タイは輸出が盛んなので英語で通じますよ。
今後やってみたい事は?
カタログを作りたいんです。 このカタログさえあれば車一台が作れると言えるようなカタログですね。 私が高校生の時に買ったマスタングのカタログがあるのですが、今でもバイブルとして持っています。 作るとしたら、時代的に印刷した本としてのカタログではないと思いますけどね(笑) 時代にあった新しいカタログを現在勘案中です!