SEISHINDENKI INDUSTRIAL COMPANY

TOMOYA NAKANO

有限会社 清新電機工業所中野智也

旧車天国で見かけた清新電機工業所のブースに置いてあった雑誌には「ハンダごて王子」なる人物が丁寧な説明をしている記事が載っていた。 ふと顔をあげたら王子様がいるではないか! 慌てて取材許可をもらい伺うと、雑誌の印象通りの柔らかな物腰で丁寧な対応と旧車ファンだからこそできる細やかな仕事風景があった。 この配慮の細やかさがユーザーに愛されるポイントなのだろうと感じた。

最新のものを、いかにも昔から純正で付いていたかのように見せることも重要なポイント

御社の歩みを教えてください。
深川で祖父と父と叔父が車の電装関係の仕事をしていて、昭和46年に独立したんです。 その時から古い車を取り扱っていたんですけど、環境的にも趣味的にも車に携わることが多かったので車の専門学校を出てすぐに父と一緒に仕事をし始めました。
その頃から旧車に興味をお持ちだったのですか?
高校生の時はバイクが好きで外装をカスタムしていたんですけど、その頃から古い物が好きだったんですよね(笑) その頃ドリフトブームだったので、友達はドリフト仕様の車がいい!なんて言っている中、自分は旧車の雑誌を読みながら「旧車がかっこいいな~!」って思っていました。やはり父の影響も大きいと思います。
メイン事業について教えてください。
車の電装関係の修理がメインになっています。 ご相談を頂いたお客様の車の下取りをしたり、販売することもありますが、基本的には修理が8割以上なんですよ。
そうするとユーザー層としては一般のお客様が多いのでしょうか?
中古車販売店の方や整備工場さんなどの業者さんも多かったのですが、自分がやり始めてからは一般のお客様からのご依頼も頂くようになったので、割合としては半々くらいだと思います。
一般のお客様はどのように御社へたどり着くことが多いのですか?
旧車天国やクラッシックカーのイベントや、オールドタイマーという雑誌で電気講座の連載をしているので、その記事を見た方もいらっしゃいますし、ブログやSNS等から問い合わせを頂くことも多いですね。
私もSNSを拝見しました!ハンダごて王子ブログやフェイスブックがとても面白いですね!
文章を書くのは妹に任せているんです。 自分で書いてしまうとマニアックな内容すぎて、読んでくださっている方がわからない内容になってしまうんですよ。 妹も自分とは別の角度でものを見てくれるので「面白い」と思って頂けているんじゃないでしょうか。
連載記事もとても面白いです!
方と読者さんが求めているのは何か考えながら企画を立てています。 「ハンダごて王子」もその出版社の方につけて頂いた名称なんですよ(笑) 自らは「王子」とは名乗れません(笑出版社の) そのネーミングがついた時、ちょうど「ハンカチ王子」とか「〇〇王子」が流行っていたんですよ。
車の電装と聞くと難しいのでは?と思っていたのですが、実際のところはいかがですか?
そうですね。やはり皆さん電装関連は難しいと思われていることが多いんじゃないでしょうか。 「いじりたくない」「難しい」「ビリビリするんじゃないか?」って思われている方がほとんどですね。 実際はビリビリしないように気を付けていますよ(笑) 修理内容としても多岐に渡っていることが多いですね。
どんなご依頼が多いのですか?
どうしても旧車になると、当時はそのままでも車検が通っていたのに、ライトの光量が足りなくて車検が通せないから何とかしてくれないか?といったご依頼や、古い車なので配線が腐食してしまって焼けてしまう前に何とかしたいといったお話を頂くこともありますし、充電が安定しないといったご相談を伺うこともあります。 旧車なので状態もお客様の使い方によって様々ですし、修理内容もこれを取り換えておしまい!といった簡単なものは少ないんです。 「旧車専門のショップに出して途中までやってみたけどできなかった」という最後の砦みたいなご相談を頂くこともあって、先日は配線を読み解くまでに丸一日座り込んでいました(笑)
旧車好きのお客様だと純正のこだわりがありそうなのですが、車検の兼ね合いでどうしてもこだわりの部分を変えなければいけない場合はどうされるのですか?
先ほどお話したライトの場合だと、バルブの中の電気を交換しただけではダメなこともあるので、手前に光量を上げる仕組みを入れたり、ご説明した上でライト自体を交換する場合もあります。 自分が旧車乗りなので、同じ旧車ユーザーの気持ちが分かるんですよね。 かなりマニアックなので、こうしたら喜んでもらえるかな?と思うレベルがお客様が求めるレベルより少しでも高いレベルでお返しできていたら納得して頂けるじゃないですか。 ありがたいことに「ここまでやってくれたんだ!嬉しいよ!」と言って頂けていることが多いので、自分のレベルは落とさないようにしていこうと思っています。
素晴らしいサービス提供ですね!
本当にありがたいことだと思いますよ! 自分の仕事のスタイルをご信頼頂いているお客様から「任せるよ!」と言って頂いたんですけど、お客様以上に僕も職人冥利に尽きるというか・・・ やっぱりそういって頂けるって嬉しいですよね(笑)
仕事スタイルへのこだわりは?
例えば、先日受けたクーラーの修理だとホースを使う箇所が多いんですよ、自分でも乗っていて分かるのは、せっかく綺麗に大切に乗っているのにホースがこれじゃあ見た目が良くないな~思っていたので、ボディに這わせてパーツをつけて「いかにも純正です!!!」みたいな感じに仕上げたんですよ。 一番のこだわりは、旧車が旧車らしく純正でいかにも昔からこんな感じでしたという雰囲気が出せること。 新しく手を加えましたってすぐに分かっちゃうのはもったいないんですよね。 だから使っているシステムは新しくても、目立たないように付けるように工夫しています。
目立たないようにつけるのは難しそうですね。
最新のものを、いかにも昔から純正で付いていたかのように見せることも重要なポイントではあるのですが、綺麗に目立たないようにっていういうこともこだわっている部分ではあるんですよ。 ハーネスをコードの裏側にしていたりしているので、付けばいい、機能したらいいというレベルとは少し違うかもしれませんね(笑) それが今自分が最大限にできる最高のサービス提供の方法なんです。
綺麗に配線をするコツは?
コツですか?当たり前のことだと思うのですが、外す前に配線図をチェックして、印をつけておいて、外した後どこに何を付けたら一番バランスよくできるかを考えるんです。 後々、お客様が手を加える時にどうやっておいたらベストな状態になるかを考えながらやっていますね。 経年劣化するものもあるので扱いは丁寧にしないと折れたり割れたりしてしまうんですよ。 そこに注意しながら配線している感じですね。
これからやってみたいことは?
色々考えているんですけど、工場をきれいにして男女問わず来て頂けるようなカフェスペースができたら良いなと思っています。
旧車が好きだけどなかなか踏み出せない方にアドバイスをお願いします。
車の値段が上がっているので手を出しずらい部分もあるとは思うのですが、少しでも自分で手を加えていくことができれば意外と楽しみながら乗れますよ! 旧車専門のショップさんもありますし、そういったところに相談しながら楽しんでもらえたら嬉しいですね。 電装系でお困りになった時は弊社に相談してください!

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有限会社 清新電機工業所

042-773-4352

営業時間:9:00-18:00

定休日:日曜・祝日・第2土曜・第4土曜

神奈川県相模原市中央区清新5-2-14

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