CROCOART FACTORY

YOSHIYASU TOKUDA

クロコアートファクトリー徳田吉泰

徳田代表からは「エッジ」を感じた。 やる事に理論的な根拠があって、貫きたいコンセプトが具現化されていたからだ。 反面、人当たりがよく時折少年のような発想をデザインに落とし込む。 1度触れてみると、誰も真似のできないこのコンセプトを今までワンオフで作り続けてきたクリエイターとしての流儀がわかるだろう。

作る車のコンセプトは装備をそぎ落とした「零戦!」

現在起業から何年目をお迎えですか?
22年くらいかな? この場所でずっとやってきたけど、今度やりたいと思っている事があるから広いところに移転することを考えているよ。 自分自身あまり場所に執着しないタイプみたいです(笑)
車の業界には起業される前からいらっしゃったのですか?
いましたよ。でも車屋さんの出身ではなくてデザイナーをしていたんですよ。 デザイナーといっても車のだけどね。 CADデータになる前のデザインをしたり、クレイモデラーとして造形もしてたんだよ。
クレイモデラーですか?
そう。粘土を削って実際の形を作るやつ。 そのクレイ(粘土)で販売される前の車の形を、見た目の良さももちろんだけど風の抵抗とか考えながら開発していたんだよ。 大学時代に彫刻をやっていたから3Dで物を考えたり3Dで形を作るのが好きだし、それがずっと癖になっているんじゃないかな? 今もやらせたら誰にも負けない自信はあるね!考え方も道具も仕上がるまでのスピードも違うと思うよ。
現在のメイン事業のキャンピングカーにも3Dで考える手法は活かされていらっしゃるみたいですね!
そうだね。 今はルーメットっていうキャンピングカーを作るのがメイン事業の1つなんだけど、それも形状に対するきちんとした理論があってあの形になっているからね。
パッと見た印象としてはとても「かわいらしい」というイメージです。
車体の剛性や抵抗、軽量化の為の対策だとか色々なことを鑑みてデザインすると最終的に外観は丸みを帯びた形状になってくるんだよ。 外観が丸みを帯びたフォルムになると必然的に車内も直線の少ないデザインになってきて、使いやすさだとか、用途に応じた配置ができるようになりますよ。 デザインに関しても10年〜20年使ってもいいよう普遍的なデザインにしたので、長く使っていただいても古さは感じないんじゃないかな? かわいらしく見えるかもしれないけど、けん引免許がいらない最大級の形なんだよ。
最大級という事は750キロ以下という事ですか?
そうなんです。 軽量化するって開発の段階でものすごく大変だしお金がかかるんですよ〜(笑) チタンとかカーボンとか材料への費用をふんだんに使えるなら簡単にできることかもしれないけど、お客様が購入しやすい価格じゃなきゃ意味がないでしょう? だってお金かけていい物作ろうと思ったら誰でもできるからね! 手の届く価格で制作するところにクロコアートファクトリー独自のノウハウが活きてくるんです。
ルーメットのシリーズでお風呂だけがフィーチャーされたものもありましたね!
あれは被災地対策で作ったのがきっかけなんだけど、見た人の受け取り方でどんな風に見てもらっても使ってもらっても構いませんよ。
ルーメットはお客様からの要望でワンオフなのですか?
ほぼワンオフだね。 今までで100台以上作ったから、ある程度お客様がどうしたいと思っているか傾向と対策みたいなものが見えてきたよ。 今までマーケットインで作ってきたから、次はそのノウハウを活かしたプロダクトアウトで手の届く価格のルーメットを作っていこうと思っています。 そのためにも作業工数を削減できるようにロットで生産できる仕組みが必要になってくるんですよ。
今工場にあるルーメットもお客様のオーダーなのですか?
あれは海外で販売するものなんですよ。 海外でもペットブームなのでワンちゃんも一緒に過ごしやすいタイプの1台を作っている途中ですね。 今制作しているのは生産ラインを作るための試作段階のものなんですよ。
国内のルーメットのユーザーさんへはどのようなサービスをされていらっしゃいますか?
特に変わった事はしていないけど、なにか不具合があれば即対応に向かいます。 たとえそれが遠方のお客様だったとしてもね。対応は早い方が良いんですよ。 それがクロコアートファクトリーのキャンピングカーを購入していただいた方への筋の通し方。 不具合やクレームにコソコソするの大嫌いだから。 仕事はね、対価をもらった同等価値の仕事じゃダメ。 同等価値は作業、それ以上の仕事をしないと仕事じゃないんです。 真価を問われるのはクレームの時、仕事の質を上げるのも不具合の対応。 キチンと対応して頭の中をいつもクリアな状態じゃないと良いデザインも浮かばないものなんですよ!良いデザインを作り出すこともお客様へ最初に提供できるサービスだからね!
社員の皆さんもとても自発的に動かれていると感じるのは徳田代表の背中をみているからなのでしょうね!
そうだと嬉しいですね! たしかに弊社のスタッフは自発的に考えて行動していることが多いんですよ。
徳田代表からも社員の皆さんからもエネルギーや仕事への勢いを感じます!
そりゃそうでしょ!まだまだ今後やりたいと思っていることがたくさんありますからね。 今は通過点でしかないと思っています。 自分自身もウチのスタッフもやりたいこと、作りたい車が強くイメージできていないと進めないですよ! これでいいやって思ったらそこで終了。 自分が突き詰めて考えて、いろんな意見を求めながら動いていたら「引き寄せの法則」でおのずと妥協しない人たちが集まってくるものなんです。
一番のやりたいことを伺っても良いですか?
正式な型式番号のある車を作りたい!大企業ではできない車を作りたい! 最初に作るならスポーツ系が作りたいなって思っています。 デザインは流行りのジャンルに囚われないものにしたいし、エンジンはどのくらいのパワーにしたいとか、サスペンションはどんなものがいいとか、色々構想はあるんだよね。 思い切りニッチな層が納得する車でいいと思っているから、その人たちがAE86を買うくらいの値段設定にできるように生産ラインを作らなきゃ! 「え?まだそれに乗ってるの?これからはクロコアートファクトリーの車でしょ!」って言われるようになりたいですよね。 スポーツ系の中でも新ジャンルとしてカテゴライズされるようになりたい! その為には車に意思を注入しなきゃダメなんだよ。
車に意思ですか?
昔で言うところのナイトライダーみたいに会話=「意思」がわかる機構が必要になってくるんだよね。 友人にそういった研究をしている人がいるからコラボして開発する予定。 いろいろ開発しているとね周りからは「あいつら何してるの?」みたいに思われることも多いんですけど(笑) それでも良いんです。それはクロコアートファクトリーが車に、志=「意志」を注入する過程だから。
そうすると今のクルーズコントロールやABSとは違ったシステムになっていきそうですね。
そうだね。今よくある安全対策とは違うと思う。でも、そもそも車は危険なものとして認識して欲しいんだよね。 200キロで壁にぶつかれば命の保証はないでしょう? だからそこに対しての警鐘は鳴らしておきたい。ある意味パッシブセイフティーの極論に行こうと思ってる。 零戦と一緒の感覚だね。作る車のコンセプトは装備をそぎ落とした「零戦!」
新車両の開発には徳田代表も一緒に手を動かされるのですか?
もちろん!木くずまみれ、埃まみれ(笑) スタッフと一緒になってやりますよ。 作る過程で不安に思う事もあるからスタッフに相談することもしょっちゅうありますよ! 「どっちがかっこいい?」「こっちですね!」「OK!そうしよう!」って会話をしながらやっていますよ。 自分の考えをはっきり言ってくれるスタッフがいるからものづくりができていると思う。 逆に今のスタッフがいなかったら怖くてできないよ!
いろいろやりたいことはたくさんあると思いますが、最終的に叶えたい夢は?
車づくりをする人たちの本質的な教育に携わりたいな。 ただ机で古い知識を踏襲するのではなく、実践で学べるようなスタイル。 勉強もがっちりやる分遊びもがっちり知ってほしいから、走ってトライアンドエラーの確認ができるサーキットがあったり、車作りしている地下にどんちゃん騒ぎできるクラブ作ってもいいよね(笑) 敷地内にプロ専用の道具が買えるホームセンターみたいなのもあったらいいね。 「車好きのための学んで遊べる総合ホームセンター!」 これが最終的な夢だね!

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クロコアートファクトリー

042-780-1440

営業時間:10:00-19:00

定休日:不定休

神奈川県相模原市緑区根小屋2539-1

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