ZOMBIE FACTORY

GYOKU

ゾンビファクトリー山田 忍

取材開始時は「大したことをしていないよ!」と照れ笑いをしていたが作品作りの工程を実際に見せて頂くと随所にソンビファクトリーでしかできない独自性が感じられた。 とても気さくで明るく、やわらかい口調で面白く、人間味溢れる山田代表。 まるで短編小説を1冊読んでいるような起承転結のある経験をしながら得てきたノウハウが、今日もエンドユーザーの車一台一台にユーザーの想いと個性を描いている。

俺が思うカスタムペイントは大きな柄じゃなくて、小細工してなんぼなんだよ。

起業されたのはいつ頃ですか?
起業自体は27歳の時なので2002年。 最初は主にバイクのカスタム塗装をしていたんです。 もちろん車もやりますけど、当時はビックスクーターがブームだったからほとんどビックスクーターとバイクを扱うショップでした。
現在もバイクをメインにされているのですか?
今は車のカスタムペイントがメインですよ。独身の時にバイクに乗ってた人も結婚したりして、バイクから車に行くから車のカスタム塗装が多いかな。たまにバイクもやるけどほとんど車だね。
起業する前も塗装の仕事をされていたのですか?
本当は自動車整備がしたかったんだけど、学校で整備の勉強すると実務的な整備よりも回転数だとか計算する事が多かったんですよ。実習とかは好きだったんだけどそれ以外が苦手でね~(笑) 高校を出て整備士3級とディーゼルの国家資格を取ろうと思ってたある日、自営業をしている実家の母親が「車はぶつけたりするからバブルとか不景気とか関係ないでしょ!」って言われた一言がなんだか腑に落ちて鈑金塗装の工場に入ったんです。 最初に入った工場で鈑金志望で入ったのに4月になってびっくり! 「山田くん塗装から始めようか!」もう笑うしかなかったよ。
そこからカスタムペイントの道が始まったんですね!
と思うでしょう?実は違うんですよ。みんな勘違いするんだけど絵心ないんですよ。 鈑金部門の責任者に仕事を教えてもらって10か月で丸ペン(全塗装)までできるようになって、仕事をダラダラやるのが好きじゃないから集中してガーっとやっていたら同期の人より仕事量が増えちゃったんですよ(笑) その時に相当塗装に関する知識と経験は増えたけど、そこで修業してた2年で普通の塗装の ノウハウは手に入れましたね。
普通の塗装からなぜカスタムペイントにシフトチェンジされたのですか?
カスタムペイントって車よりバイクの方が多いんですよ。 2輪のカスタムで有名なショップにたまたま縁があって行ってそこで線の引き方とか今の自分の原型になるものを修行したんです。 バイクだからヘルメットとか、オイルタンクとかにペイントするんだけど、そこの社長がデザインしてから全部カッターで手作業!プロッターと使わないの! 5年そこで修業したけどカッターワークって覚えるのが大変なの!!!後半2年でやっと覚えた感じ。
いよいよ起業ですか?
いや、実は一回燃え尽きちゃったんですよ(笑) 塗装もできる、キャンディーもふける、グラデーションもできる、フレークも特殊ペイントも、カッターワークも出来るってなった時にもう満足しちゃったのかな? なんか燃え尽きちゃったんだよね(笑) それで一回違う仕事してみたんだけど、やっぱりなんか上手くできてきたころに燃え尽きちゃう。 それでもう一回カスタムペイント真剣にやろうと思って転職活動! 3社受けて、自分の手掛けたポートフォリオとか見せるじゃないですか!そうしたら全部の会社の社長に言われたのが「君ここまでできるなら自分で起業した方が良いよ!」 そこでやっと「なるほどな!!!」と思ってスタートしたのが25歳、ゾンビファクトリーとして起業したのが27歳でした(笑)
起業してみて大変だと思う事はありましたか?
最初は掘っ立て小屋でバイクのカスタムペイントばっかりしてたけど、ひょんなことから冷蔵庫塗ったり、テーブル塗ったり、車も依頼がきたりするようになったんだけど、最初はお客さんゼロから始めたから、認知してもらうのが大変だったよ。 バイク業界から車業界にポンと行っても無名もいいとこ!!!超無名なの(笑) どんなに凝った事してもゾンビファクトリーを認知してもらって、お客さんから「コレやりたい!」って言ってもらわなきゃ何もできないからね。 俺の場合はバイクの時のお客さんが車もカスタムペイントやってる事を知って、車でまたきてくれたりしたのが大きかったな。 ホントお客さんに支えられたと思ってるよ。
確かに凝ってますよね!!!出来上がりまでの工程がどのくらいあるのか伺っても良いですか?
下地を塗装して、その上にデザインして、清書して塗装する面を剥がして塗ってを繰り返すから、デザインによって工程は変わってくるよ。
入庫している車にも物凄く細かいペイントがされていますね!
これは俺の車だよ。 全部手作業で筋を入れて型をある程度書いてあげて、マスキングテープして、ペンで大体なぞって、またマスキングテープをして、ってこの作業を繰り返して色の明暗をつけてあげるんだ。 手間はかかるけど、同じデザインを作りたくないから手間暇かけて工夫して作ってるよ。
これだけ手の込んだカスタムペイントを施しているからカーショーでの賞も取れるのですね!
これは俺が取った賞じゃないよ。お客さんが取った賞。 お客さんが「こうしたい!」って言ってくれた物を実際に書いて具現化するのが自分の役割だと思ってるからね。 海外メディアに取り上げてもらった車両もあるけど俺はあくまで裏方。 恥ずかしいから(笑)
ニッチなカスタムのジャンルなので地域密着型と言うわけにはいきませんよね?
そうだね、お客さんは長野から来てくれたり、埼玉からは普通に来てくれたり。あと大阪から物を送ってくる人もいたね。 あんまり遠い時は「向こうでやったほうがいいんじゃないの?」って言うもん。 俺営業はしないよ。一人でこういう塗装だしこういう仕事だからたくさん仕事が来てもできないっすよ。 だって仕事が粗くなっちゃうから。俺は荒くなるのが嫌いで仕事量が多くなるとどうしてもクオリティーが落ちちゃうから。 俺が思うカスタムペイントは大きな柄じゃなくて、小細工してなんぼなんだよ。
小細工ですか???
例えば、ファイヤーパターンの中を紫でいいのにピンクから紫のグラデーションカラーにしてあげればかっこいいからしてあげたり。 お客さんはイメージはあっても、実際にやった事がないからグラデーションにした方が深みが出るのを知らないんですよ。 お客さんのオーダーが紫系ってざっくりな依頼なら、紫系のグラデーションにしてあげる。それでクレームが出たことはないよ。これがうちのサービスかな。 そういうこともあって、お客さんは16,17年と長く付き合ってくれているね。
これからやってみたい事は?
「世界に行きたい!」 お客さんは日本からいなくなったら嫌だって言ってくれる人もいるけどね。 お客さんと一緒に世界に行きたい!俺一人じゃできると思ってない。 究極はこの仕事好きだし、お客さん笑わせたいからね!

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