起業までの経緯を教えてください。
山崎商会の三代目になるので、起業と言うわけではないんです。 この地域で60年以上やっています。 だから、地元の方には「車に困ったら山崎商会に~」といった感じで思ってもらえてはいると思うんですけどね。 世代交代をして今年で7年目になります。 整備の学校を卒業して、国産メーカーのディーラーにメカニックとして修行に入り、27歳のときに山崎商会の代表を引き継ぎました。
代表交代をして大変だった事は?
日々困ったことの連続ですよ(笑) どうしたら会社の運営って上手くいくんだろう?どうしたら若手は上手く育っていくんだろう?そんな事に頭を悩ませてますね。 車屋さんって日本全体で考えて、車の価格が安くなってきて、だから社員の給与もそんなに上げられず、この会社でずっといて骨うずめます!みたいな人ってなかなかいないんですよね。 40~50歳の人だとそれなりの給与じゃないとだめでしょう? そうすると、支払い能力のない会社に在籍していた場合、この先転職か独立しか選択肢が無くなってくるんです。 弊社だけではなく、どこの会社も、人材を定着させながら運営できる資金を確保していくって大変な事だと思うし、共通した悩みどころじゃないですかね? 手間や工数をかける仕事って限界があるので、何かしら利益を上げる手法を変えていかなきゃいけない時代なんじゃないかな?
山崎代表に代わられてから工夫されている事はありますか?
リピーターの定着ですね。 リピーターになって下さる方とお付き合いする環境を作ったりしています。 たとえば、バスケットのチームだったりするとある程度気心も知れているので、リピーターになり易いんです。 そこから車の依頼、修理の依頼があったりするので、そういった環境は作るようにしていますね。 あとは、お客様の世代交代もあって、お父さんはお客様として来て下さったけど、お子さんは別のところに~といった事や、お子さんは車買わないなんて事もあるので、そこもこれからの課題にはなっていますね。
現在の顧客の層は2代目代表から続くお客様が多いのでしょうか?
現在は自分で開拓したお客様の方が多いですね。 課題になっている「お客様の世代交代」という時期も丁度かさなったんです。 父が代表をしていた時のお客様がお子さんの就職の時期や、独立の時期という事があって、息子さんの世代が自分のお客様としてお見えになられたりしています。 新規のお客様は口コミだったり、紹介が多いですね。
WEB活用はされていますか?
ネット媒体の利用はずっとしていなかったんです。 一時期ガリバーの車検サイトには載っていましたけどね。 後は、HPがあるだけで、その他は会社の前の道を通る人や、口コミなんかがほとんどでした。 今年6月になってGooを初めて使いました。 車検サイトをやっていた時は、車検の依頼が結構来ましたよ。 一度ご来店いただいて、車検を受けた方は次に繋がっている事が凄く多いですね。
WEB活用はされていますか?
今はフェイスブックくらいかな? 備忘録的な整備の内容とか、出張行っていますとか、仕事の内容をちょこちょこ載せてる感じです。 今は一人でやっているので、ホームページ持っても、WEBに何か広告的な物を出しても対応ができないんですよ。 これから社員採用の予定があるので、WEB活用は採用後に考える予定。 なにかしらの問い合わせが来ても、自分ひとりじゃあ現時点で対応しきれないんだよ。 整備できる人が入れば、ホームページ持って、広告出して、間口広げるってことはやりたいな~なんて考えたりしますけど・・・
次の車検に繋がる対応とはどのような事をされるのですか?
お客様のニーズをヒアリングするだけではなく、預けてもらった車から感じ取るんです!!! もう野生の勘!?車屋の血!?みたいな感じですよ(笑) 不思議な物で、初めて来られたお客様だったとしても、その車の使い方やタイヤの減り方からお客様の考え方が見えてくるんです。 あまり費用はかけたくないのか、徹底して直す所までを望まれているのか、真面目な方なのか、車は足代わりなのか、マニアックな程車好きな方なのか・・・ 車を通してお客様がどんな方なのかわかるんですよね。 そこで見えた事を提案に落とし込んでいくだけです。 それはお客様によって毎回異なるので、パッケージ化もマニュアル化も出来ないじゃないですか? だから、山崎商会の車検といっても、ひと括りにした形としては謳えないんですけどね(笑)
具体的には?
たとえは、あまり費用をかけたくない方には省けるところを省いたりする事もあるんです。 だからといって、いい加減なわけではないんですよ! 整備記録簿をきっちり付けているので、前に○○の修理はしていないから今回は○○をした方が良いとご案内してみたり、パーツ丸ごと取り換えたら早いけど費用がかかるので、最低限の物さえ取り換えれば元気に走る車になるならそこだけをピンポイントで取り換えたりします。 パーツ丸ごと交換してしまうのは「チェンジニア」の仕事。 自分たちは「エンジニア」「メカニック」としての仕事をしているので、どこをどう直す事がお客様にとってのベストかを常に考えます。 ちゃんとお客様のお財布も考えていないと、次には繋がらないですからね。 あまり具体的ではないかもしれませんけど、そういう事です!
販売スタイルは?
最初はエンジニアの仕事しかしていなかったので、完全に我流です! いかにお客様のニーズを引き出して、お客様が乗っていた前の車から読み取れる情報と繋げていくかって事ですよね。 ベンツが欲しいお客様、ビートが欲しいお客様、農家で使うトラックが欲しいお客様、それぞれに見合ったご提案と対応をするようにしています。
今後やってみたい事は?
山崎商会でしかやっていない事、売っていない物を作っていきたいですね。 車検でも値引きとかしかないじゃないですか? 安くすると、結局技術の安売りになって、それ以上の技術が育たなくなってしまうスパイラルに陥ってしまうんですよ。 だから個人のお客様と、法人営業両方の顧客獲得をしていきたいと思っています。
これから車を買うかたへアドバイスをお願いします。
一番最初に買うなら壊れる前提の車を買った方がいいですよ! 変にお金のかからない車を買うより、車ってお金かかる事を身をもって知っていた方がいいんですよ。 とはいえ、今の国産は壊れないがスタンダードになっていますけどね(笑)