T&E

TAKAHIRO UENO

株式会社 ティーアンドイー上野高広

インタビュアーをしてきて第一声が「よろしくお願いします!」にならなかったのは上野代表が始めてでした。モータースポーツファンとしてずっと見ていた為か、思わず「本物だ!!!」と口から出てしまった。 上野代表はT&Eの代表でありながら、現役D-1ドライバーなのだ。 製作現場を見せていただきながらお話を伺い、上野代表のこだわりや車に対する想いを聞きいて胸が熱くなった。 上野代表には、レースを見ている人の心を熱くするパワーと魅力に溢れている。

この車が最後でもいいやって気持ちで魂入れて作っていることは確かだね。

現在の事業を始められた経緯を教えてください。
最初はね、23年前になるんだけど、ウィンドフィルムの会社としてT&Eを立ち上げたんですよ。 その半年後くらいに自分が走っていたこともあって、自分の車のパーツを作りたいと思ったのがきっかけ。 その時に作ったパーツを取材してもらって、初めは自分用だったから売るつもりなんかなかったんだけど、欲しいと言ってくれる人が増えたので「じゃあ製品化しよう!」という流れになって今のスタイルになったんだよ。
T&Eの現在のメイン事業について教えてください。
車の部品の製造と販売をメインにしています。 その中でも主力はT&Eオリジナルのエアロパーツですね。
エアロは直接御社で購入される方が多いのですか?
いいえ、そんなことは無いんですよ。 通販で購入されて板金工場に持っていかれる方もいらっしゃいますし、大型量販店やカスタムショップで購入されたり、弊社の工場でつけたりとパターンは色々ですね。 遠方の方だとディーラーで取りつけをされる方もいらっしゃいます。 ただ、通販だどステアリングだとか自分でなんとかできるものの方がよく出ますけどね(笑)
オリジナルエアロパーツはどのようにデザインコンセプトで作られていますか?
「10年先も飽きの来ないデザイン」+「光と影」ここがコンセプトになっているよ。 ワイドなサイズもワイドには見えないから、まとまりがある分、悪く言うとつまらないよね?(笑) でも、フェンダーが思いきり張り出しているのが流行ったらその時はカッコよく見えるかもしれないけど、何年かしたら取り替えてしまうこともあるでしょう? ウチのだど長く乗っても飽きは来ないと思うし、いつ見ても「魅せられる」デザインにはなっていると思うよ!
デザインする時はラフ画を描かれたりするのですか?
職人さんと一緒にウレタンで削ってみたりしていた時もあるけど、最近はCGで作ることも多くなってきたかな。 でも、僕は手探りしながら光と影のバランスを確認して作り上げる手仕事の方が断然好きだね! その方が動きのあるエアロになるんですよ。
こだわりのエアロを手に取るお客様の層について教えてください。
やっぱりレースとかやっている人がメインにはなっているけど、普通のワゴンの足回りを変えたいという依頼もありますよ。 ドレスアップの依頼も結構多いんです!
T&Eのカスタムのどこにも負けないポイントを教えてください。
あえて言うなら「走りとドレスアップの両立」だね! 車一台を競技車両として仕上げることもできますし、タウンユースで乗るためのドレスアップもしますよ。 どこよりもT&Eだけが特化しているってところもないと思っているんだよね。 だってチューニングとかカスタムとかドレスアップって正解が無いでしょう? カスタムって突き詰めたら答えが無いし、答えのないものに勝ちも負けも無いんじゃないかな!
現役D1ドライバーならではの視点を取り入れた競技車両を作れることは、大きな魅力ですね!
マシン作りについてストイックに取り組んでる人だと、Team TOYO TIRES DRIFT Do-LuckでZ33を走らせているドゥーラックの伊藤社長もその一人。そのドライバーのPOND選手と一緒に作り込みをすることもあるよ。 足回りは僕、セッティングは伊藤社長って感じかな。POND選手はタイのVERTEX代理店もやってもらってるんだ。 後輩でありお客様がD1ドライバーになったりしているけど、今後は若手ドライバーの育成にも注力したいなって思ってます。
上野代表の1番こだわっているところは?
お客様だったり後輩だったり仲間もそうだけど、車に対して純粋に気持ちを持って接するようにしていると思うよ。 僕にとって車って走ればいいやってものじゃないから。 作り方のこだわりは「魅せ方」キレイに魅せるって表面だけの問題じゃないんだよね。 溶接一つとっても、適当なことはしたくないっていうのはこだわってるところだと思います。
なぜD-1ドライバーになられたのか伺ってもいいですか?
もしかしたら始めようと思って始めたんじゃないかも?!(笑) 元々バイクで走っていて、バイクから車に変わっても変わらず走るのが好きだからレースによく出たりしていたので、そこそこの成績をとれるようにはなっていたんです。 プロドリフト選手権の第一回がイカ天(いかすドリフト天国)出身者が中心だったんだけど、僕はその時に招待選手として呼んでもらって2位だったんですよ。 参加してみて「あ~これからドリフトでもプロの世界が出来上がっていくんだ~」と感じたんだよね。 それでチャレンジしてみようと思ったことがきっかけかな?
D-1を始められた時と現在でレースを真剣に取り組んでいる方々に変化はありますか?
お客様でレースをしている人にそんな大きな変化は無いけど、走っている先輩として後輩を見た時に感じるのは「ぬるい!!!」 環境とか車の性能が良すぎて楽をしていると思うよ! 今の強い選手だと資金力もあるから車もどんどん良くなっていくし、その分、車任せに走らせているところって大きいんじゃないかな。
厳しいですね!
始めた当初はハンドルもなかなか切りづらい中でどうやって角度をつけるか考えたりしていたからね。いざっていう時の引き出しの数が長年やっている選手と差が出るよ。
車の性能はT&Eの課題でもあるのでしょうか?
う~ん。課題という意味では性能差は問題視していないかもしれないな。 性能差による勝敗よりももっと別のところにプライオリティを置いているのが僕のチームかも。 勝ち負けより、D-1というモータースポーツに興味を持ってもらえる話題性。
話題性ですか?
痛車を走らせたり、ウルトラマンとコラボしたり、輸入車でドリフトを始めたのも僕のチームが最初なんだよ! 昔と環境が違うし、先駆者が居ない中なんでも手探りでやってった。時間はかかったけどね。 今注力しているのは走りの勝ち負けより、新しい風をいかに取り入れられるか、違うジャンルの車好きがドリフトに興味を持ってもらうかって大切でしょう? 今の選手はある程度道が開かれちゃってるからね。 だからこそ次世代の育成が必要なのかなって思う部分もあるし、車離れも否めないから、裾野を広げることもしていかないとね。T&Eがドリフトのラジコンサーキットをやったのもそんな理由からだね。子供のころから車に興味を持って欲しいって。今は場所の問題で中断しているけど、当時うちのラジコンショップに通ってた子は見事に実車に移行していることを考えると、その考えは間違ってないのかなって思う。 どんな接点が最初でも車を楽しむ層と、モータースポーツを楽しむ客層の底上げに貢献できらた嬉しいなと思っています。
今後T&Eでやってみたいことは?
勝ち負けにこだわらないとは言っているけど、僕の選手生命も長くは無いだろうなと実感しているので、最後に何かしたいかっていうと、話題性も持たせつつ有終の美を飾りたいよね! だから今T&Eで勝てる車づくりをしています。 いつから走らせるかはまだ確定していないんだけど、スポンサー次第かな!? 本当に最後の車になるかどうかはわからないけど、この車が最後でもいいやって気持ちで魂入れて作っていることは確かだね。 だから、モータースポーツに縁が無かった人や、輸入車が好きな人、違う車のジャンルが好きな人、色んな人に見に来てもらいたいなと思っています。

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