車の匠 No.307 熊谷自動車株式会社/東京都江戸川区/熊谷浩二

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KUMAGAI MOTORS

KOUJI
KUMAGAI

熊谷自動車株式会社

熊谷浩二

創業50年を超える熊谷自動車の2代目として車検、整備、板金、買い取り、販売まで幅広くサービスを展開している熊谷社長。ハイエースなどのカスタムにも精通しており、顧客層は口コミで広がっている。また、車検や整備の際には部品をバラバラにして徹底的にチェックする真摯な姿勢が、顧客からの信頼につながっている。

取材:サイバーブレーン斉藤

うちに車検や整備を任せてもらえれば車は壊れません。それが、創業からブレずにやってきこと

2代目ということですが、学生時代から家業を継ごうと思われていたのですか?

そうですね。それで専門学校に行って、22歳で某大手メーカーに就職しました。結局、30歳まで勤めて家業に入ったという流れですね。専門学校を卒業して家業に入ることもできましたけど、そのまま家業を手伝うと、なあなあになっちゃうと思ったのでそれは避けました。

専門学校自体も整備で入られたのですか?

はい。学生の頃から車が大好きで、専門学校では主に整備について学びました。家業を手伝うという思いも頭にあったから、18歳になってすぐに免許を取りましたね。某大手メーカーに入ったのは、自動車のなかで最もトヨタの車が多いからです。日本で最も多く走っている車のことを分かっていれば、他のメーカーの車もわかるだろうと考えたんですね。私が勤めた某大手メーカーは全車種扱っていたので、色々な車種のことが知れて非常に勉強になりました。

では、現在の事業について教えてください。

基本的には修理と車検がメインです。板金の依頼などもありますが、その場合は協力会社に依頼します。今は車業界で生き残るのは大変ですが、私自身はカスタムカーの知識もあるので、違法改造車ではないカスタムカーなども手がけます。

現在のお客さんの年齢層はいくつくらいですか?

40代より上の世代が多いですね。その年代しか車好きの人が残っていないと思う。だからその人たちに向けた車を作っていかないと、商売的には難しいのかもしれません。カスタムの車種としてはハイエースが多いです。

お客さんは何で知って来店されるのですか?

雑誌の広告とか、口コミとかがメインです。風の噂を聞きつけてくる人も多いですね。生き残るために改造車をたくさん扱っているけど、そのなかで積み上げた実績が評価されてうちに来てくれるという感じですね。

カスタムしたお客さんがカーイベントで出すことなどもあるのですか?

ええ、よくあります。私自身もバニングカーのイベントなど、全国のカーイベントに行きますよ。イベントは20歳くらいから出ていますから、20年以上出続けています。個人的にはこないだ車を売ってしまったばかりなので、次はハイエースでカスタムしようと考えていますよ。

長年、続けられるなかでカスタム関連の様々な賞を取られていると思いますが、それを世間に広めて集客しようという考えはないのですか?

う~ん、それをやろうと思うと景気が悪いなかで人を雇わなくちゃいけないじゃないですか。なのでなかなか着手できないですね。カスタムはものすごくこだわる方も多いので、利益率自体は修理よりもいいのですが、そのぶんお客さんの要望以上のものを提供しなければならないのが難しいところ。お客さんがやってほしいということをやるだけではトロフィーに絡まないから、いかにほかの車と差別化できるかというところに頭を悩ませます。ここに電気を付けたらカッコよくなるけど、そのぶんお金がかかるといった具合に、予算の問題も出てきます。だけどお客さんからすると結局は得をしているんですよ。どんなデザインにするかといった、頭を悩ませる部分の費用はいただいていないですから。ディーゼル規制なんかもあって大変な面はありますが、40~50代で子育てもひと段落して自分の車を作りたいという人は増えている気がします。内装デザインに関しては皆さん、高級志向。とくにハイエースを革張りにしてバンには見えないような感じにするのは流行っていますね。

では、スタッフの方についてはいかがですか?

基本的に私が作業をして、父は伝票整理などのデスクワークを手伝ってくれています。今のところ、人を増やそうという考えはありません。景気が悪すぎですよね。

今、若手の整備士の人も減っていると聞きます。

そうですね。それに加えて今のディーラーは整備ができない人が多いですよね。機械だよりで、あとは全部交換という対応がほとんど。要するに車に対する知恵がないんです。チェンジはできるけど、修理はできない。だから、いわば彼らは「チェンジニア」。エンジニアではないんです。ディーラーの若いメカニックが自分の車を持っていないんだから、正直、なんでそんな仕事をやっているんだと思う部分もあります。昔の感覚だと、自分がメカニックであればできるだけお金をかけずに車をいじったもの。例えば車内でテレビを映るようにするには、自分で配線を改造してやったりしていたのに、いまは2~3万円だせばそれが簡単に映るようになります。

だから今は、自分で配線図を調べることができない。というよりそもそも自分の車を持っていないわけだから、車をいじりようがないんですね。いまはアルミホイールを替える人もだいぶ減りました。昔だったら車を買ったらすぐにタイヤ買って、フィルム貼って、車高を下げてというのが当たり前にあって、その人たちがいま、40代以上になっているという感じですね。

では、実際に家業を継いで苦労されたことは?

うちは安い車検をやっていないからね、集客には苦労しています。ユーザー車検が増えてきて浮気はされたけど、どこかでレッカーで運ばれてもう一回戻ってくる、みたいなこともけっこうあります。ユーザー車検は何もしなくても車検が通ってしまうからね、ブレーキパッドが減っていようが、ベルトが切れそうであろうが。そこをお客さんが理解できていないケースは多いです。いくら安いといっても、ちゃんとやることをやらないと、2年のあいだ乗れる車になりません。それに景気が悪いから、3台持っていた人が1台にしちゃったとか、年々車の台数が減っています。それに子どもが免許を持っていないから車を手放すなんてことも普通にあります。今までならば子供が引き継いで乗るので関係性も続いていたのですが、そうしたつながりも減少傾向にありますね。

そうした大変な状況のなか、どうすれば存続できるとお考えですか?

続けていくには、車に関することを何でもやらないとダメですよね。例えば板金に関しても提携する業者さんと一緒にやっています。だけどディーラーからの仕事は減っていますね。自分のところで修理や交換するケースも増えているみたいです。

では実際、こちらがお客さんから選ばれる理由とは?

う~ん、例えば車をばらしているところってあまり見れないじゃないですか。うちのお客さんはけっこう遊びに来るんですけど、「そこまでバラバラにするの!?」と驚く方は多いです。ブレーキをばらしてグリス塗ってとかしていると、「いちいちそんなことをしているんだ!?」と言われるんです。一方でディーラー車検だと、ものの1時間くらいで終わってしまうケースもあるそうです。同じ車検でも、手間暇が全く違いますよね。車検費用を安くするだけであればいくらでも安くできますが、うちはある程度、高くついたとしても徹底的に検査するというのをずっとブレずにやってきました。うちに出せば車が壊れない。それが強みだと思います。よく、中古車を買ってきて失敗する人はいっぱいいます。相場より安い車を買ってしまうと、事故車だったり致命的な欠陥を抱えていることが多いんですね。そういう車でもしっかりお金をかけて車検を通せば問題なく走ります。

いま、自動車業界について思うことはありますか。

当たり前かもしれないですが、日本の自動車の生産技術はものすごく進化しています。日本の車はすごいですよね。下手すると中古のベンツよりも日本の軽自動車のほうが高いですからね。外車はもう、お金にならないからね。いま、やっとそのことを日本人が分かってきたんじゃないですか。昔はベンツというのがステータスの一つとしてありましたが、今は国産のレクサスが主流ですよね。

外国車の依頼もあるのですか?

ええ、うちのお客さんは古いベンツやBMWに乗っている方も多いです。だけど修理代がかかりすぎるので、最終的には国産車に乗っていたほうがいいんだと考える人は増えている気がしますね。

最後に、これからやっていきたいことはありますか。

さっきも言ったけど、何でもやっていかないといけない時代だからね。結局、世の中の変化や時代のニーズに順応することが求められていると思います。いま、「若者の車離れ」などというけど、昔のように若者が車に興味を持てるようにするのは難しいですよね。昔は車がなければ女の子をデートに誘うこともできなかったですけど、今はそんな感じでもないですし…。だけど車は絶対なくならないから、生き延びていればどこかに道はあるんじゃないかと思っているんですけどね。

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