車の匠 No.310 臼井自動車/山梨県上野原市/臼井弘明

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USUI JIDOSYA

HIROAKI
USUI

臼井自動車

臼井弘明

創業52年の歴史を誇る臼井自動車の三代目として修理や鈑金、カスタム、車検、保険など幅広く自動車関連の事業を展開する臼井代表。車をこよなく愛し、情熱を注ぐことで、地域からの信頼を勝ち得てきた。自身は、自分でカスタムした車でレースに出場するほどの車好きでもある。

取材:サイバーブレーン金澤

今の車はコンピュータ制御でエンジンをかければそのまま走りますが、昔の車は手をかけてやらないとすぐに走らなくなるんですよ。だからこそ、車への愛情が大切なんです

かなり歴史があると聞きました。

この街にまだ車が2、3台くらいしかない頃からやっています。場所もここで3か所目になります。先代は隔世遺伝で私と同じタイプ。社長はまた違うんですね。創業者は建具屋から車屋になって、町会議員もやった人でした。私も青年会議所に所属して、山梨県の会長までやりました。そういうのも、おじいさんに似ています。社長は逆のタイプなので、意見は合わないです。

運営するうえでのこだわりはありますか。

人と同じことがするのが嫌いなんです。車屋は車検をしたり車の整備をしたりするところというイメージから、ちょっと外れたいんですね。そうなったときに、自分はレースが好きで、しかもサニーという車が大好きなので、どうにか商売の一部として取り入れたいというのが、レース活動につながりました。何のためにやるのかというのは、レースって100分の1秒を争うモータースポーツで、それにはマシンのセッティングが必要で、ドライバーの技術も必要になるでしょう。高い技術で車を走らせた結果、こんな成績が得られたというレーシングテクノロジーを、お客さんの車にフィードバックしたい。これが最大の狙いですね。

整備のコツなどはありますか?

お客さんの車をしっかりみると、タイヤ減り方やブレーキパットの減り方によって、車が訴えかけてくるというか、お客さんの乗り方や車両の細かい情報が分かってくるようになります。今の車はコンピュータ制御でエンジンをかければそのまま走りますが、昔の車は手をかけてやらないとすぐに走らなくなるんですよ。愛情がないと、本当に走ってくれませんね。温まらないと調子が出ないなんて言いますが、古い車は温まらないと本当に調子が出ないんです。それが今の車との大きな違いで、ちゃんといい状態に持って行ってやることが大事。人間でいうと一番わかりやすいのは、いきなり寝ているところを起こされて100mダッシュしろなんて言われたら倒れちゃうでしょう? それと同じです。何より車の調子を大事に考えているから、お客さんの車とも向き合って整備ができるのだと思います。そうしないと、やたらめったらいじくって、いじくり倒して壊してしまうかもしれません。

全部に意味があるんですね。

はい。例えば、ブンブンとアクセルをふかしている人がいたら、それにも意味があります。ガソリンが濃いところが出る回転数があるんですよ。そうすると水温も上がりやすいとか、あえてそうすることもあります。暴走族のように、カッコいいからやっているというわけではありません。ふかしながら動かす必要もあったりするんですね。車も生き物なので。

今の車とは全然違いますね。

いまはどんな条件でもスムーズに走ってしまいますが、それを当たり前だと思っているオーナーを、我々が教育していかなければなりません。車って本来、そうじゃないんですよと。自分の体に例えてください、自分の家族に例えてみてくださいというように分かりやすく伝えると、絶対に理解してもらえます。逆に専門用語だけを使って言うと相手にうまく伝わらず、自分の首を絞めてしまう結果にもなりえます。 我々のような整備士は、口下手な人が多いんですよ。私もいろいろ、役員とかやってきたので分かるのですが、会議とかをやってもお通夜です。何か意見がありますかと言ったとたんに、下を向いてしまう。でも、振ればみなさん意見はちゃんと持っているんです。それだけ口下手、引っ込み思案。ということは、日常もそうだということですよ。私はそういうのをすべてつなげてみてしまう。

会議で黙っていて、終わった後に色々という人がいるでしょ、それならば会議で言えばよかったじゃんと思います。それってある意味、卑怯な人ですよ。土俵で相撲を取れというのと一緒。土俵の外でいくら相撲を取っても意味がない。いくら強かったとしても、土俵で相撲をしないと誰も認めてくれないという話ですよね。 だから、そんな人はお客様に対しても、説明不足なんじゃないかなと。それはすごく思います。で、お客さんからのクレームの話ばかりするでしょ。でもそれって、ちゃんと説明したんですか?と聞くと、してないというケースもあります。

お客さんだって、あそこに鈑金を出したらこんな直し方をされたとか、輪をかけて言うじゃないですか。じゃあ、お客さんに対して、整備士になんて伝えたのかを聞くと、「とりあえず安くやってください」「キズが埋まっていればいいから」ということがほとんど。このケースは誰が悪いかというと、お客さんが悪いんです。そういう仕事でいいよと依頼をしたわけだから。それなのに、お客さんは文句を言う。そんな噂が噂を呼んで悪評が広まったら、もう取り返しがつきません。 だけど結局、これっていうのは、夫婦喧嘩と一緒で業者と客、どちらも悪いんです。だからお客さんから付け込まれないように、例えば車を預かる前に傷の位置をあらかじめ確認しておくことも大切です。あとから、その傷を自分たちのせいだと指摘されることだってあるわけですから。

日々、整備をするうえで感じることはありますか。

今は時代の流れで、職人の意識の変化を感じることは多いです。いま40~50代の職人と、20代の職人では、教育の仕方が全く違うし仕事の仕方も全然違う。昔の人間は怒られて育っていますが、今の人間は怒られると辞めちゃうじゃないですか。辞められない教育を会社がしているから、なかなか人が育たない。人のためにと思って動かないと、自分の時間は犠牲にできないじゃないですか。今の若い人は「もう時間なんで」といって、定時が来たら帰ってしまう。でも、昔ならば時間が来ても「ここまでやりきりたいんです」という愛情というか、やる気がある職人は多かったですよね。そういうのがなんとなく、なくなってきているような感じはありますね。昔はね、夜も寝ずにやったものですよ。次の日、眠くてしょうがない(笑)。それもね、良き時代だったんですけどね。 その点でいうとね、息子も私と同じで車バカなので、仕事から帰ってきても夜中まで車をいじっています。休みの日も。ただ、ある意味でありがたいことですよね。

今は若者の車離れなどと言われますが、車が好きな若者も多いですよね。

一口に車が好きと言っても、色々なケースがあります。乗るのが好き、磨くのが好き、いじるのが好き。いろんな隙があるから難しい部分でもあります。車が趣味道楽になっていますが、私の場合は所有して維持するのが好きなんですよ。壊れない、壊さないというところに情熱を注ぎます。ポルシェがあって、86があって、ロールスロイスがあって、ハーレーがあって、周りからは変態と言われます(笑)。愛情がありすぎちゃって、仕事なのか趣味なのか分からなくなってしまうことはありますね。 根底にあるのは、車を大事に商売しているということ。だから妥協は許さない。こんなもんでいいだろうというのはない。お客さんに「なんでこんな洗い方なんですか」なんてクレームが入ったら、従業員をすごく叱ります。それが愛情なのだと。 車を大事にしている人で、外はきれいに洗う人は多いです。だけど中をきれいにしている人は意外に少ない。中は人間でいう心なので、ここをきれいにしている人は心もきれいですよ。逆に中が汚い人は、どうなんでしょうか。 「見てください、車を大事にしているんですよ」を言われて、確かに外身はきれいなんですけど、ボンネットをオープンしたとたんに閉めたくなる車はたくさんあります。何にもしていない。愛情が行き届いていないことが、そこですぐに分かります。愛情を注いでいる人は、見えないところまできれいです。下手したら腹下まできれいです。タイヤを外してまで掃除している人もいますよ。 私も自分の車は、ホイールにも手を突っ込んで必ず洗います。出かける前に車を掃除して、帰ってきたらまた車を掃除してしまうというのを若い頃から徹底しています。それを怠ったら絶対ダメ。自分の生き方としてもそうです。例えば無精ひげの姿は、誰にも見られたくないんですよね。だから修理の際も、徹底的に車と向き合います。どんな複雑な構造の車でも、修理困難な車でも一度、ご相談をいただけたら幸いです。

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