企業のきっかけを教えてください。
今から13年前に企業した時はアパートの1室だったんです。7年前に本店の近隣に店舗を構えて、今年の4月に本店をオープンさせました。 父がハンスローセンというパン屋さんをしていて、元々自営業の家庭に育った影響でしょうか「いつかは自分で仕事を~」とは考えていたんです。 ただ、パン職人ってセンスが必要なんですよね、自分にはそれが無いなと思ったので今の仕事をしようと思いました。 父が好きで読んでいたカーグラフィックという雑誌を自分でも読むようになり、車の楽しさを知り、大きく影響を受けました。 でも、サラリーマンをしていた時期もあるんですよ!
サラリーマン時代はどのようなお仕事をされていたのですか?
自動車部品・油圧機器の海外営業です。 中南米や北欧に行って、自動車のショックアブソーバーや、建設機械に使われる油圧部品の販路を開拓していました。 やりがいもある仕事だったのですが、いつか は自分で仕事をしようと思っていたので退職を選択しました。
反対はされませんでしたか?
父は反対していましたね。やはり自営業の大変さを分かっていますから。 特に父を説得する事はせず、粛々と自分の方向は定めて事後報告のような感じでしょうか?
前職を退職されて始めた事は?
28歳当時の退職金が当時38万ぐらいで、ノートパソコンを購入したんです。
当時貯金が80万くらいあったのですが、その範囲で仕入れられる車を買い付けて販売を始めました。 知人の紹介で車両販売をしたり、前の職場に工場があったので工場に営業に行ったりしていましたが、創業当時は既存顧客も無かったので情熱とアイデアだけで動いていましたよ。 その時は結婚もしていなかったので辛いも怖いもなしですよね(笑)
創業時苦労した事は?
キャッシュフローですね。 仕入れたくても仕入れるだけの資金繰りが難しいとか、自分が設定した売上目標に届かないとか・・・ でも悪い時ばかりじゃなく、倍売り上げる月もあるのでキチンとプールして仕入れと売上のサイクルを作るようにしていきましたね。
苦労を経て13年経ちましたが、現在の顧客層について教えてください。
新規のお客様、既存のお客様、半々くらいの割合ですね。 年代的にも35歳~65歳くらいのお客様が多いと思います。。 新規のお客様が入りづらく無いように、お客様を集めてイベントはやらないようにしています。 コミュニティが出来上がった所だと入りづらいじゃないですか?
お客様対応で心がけているポイントは?
既存のお客様は車に対する知識をどのくらいお持ちかは分かりますが、新規のお客様だとどこまで車やメーカーの事をご存じか不明な部分も多いので、逆に僕が初心に戻ってヒアリングをするようにしています。 お客様の求めている事が、壊れる部分をお知りになりたいのか、これまでの管理状態なのか、どの部分を気にされているかキチンと伺うように心がけていますね。 後、弊社は壊れるものは「壊れます」とちゃんとお伝えしています。
在庫車へのこだわりを教えてください。
在庫は12~13台くらいです ベンツを初めとして、コレクターさんがガレージに集めていたような車両を仕入れるようにしています。 仕入れた後は自分たちでテストして、壊れる部分はどこなのかリサーチしています。 メーカーがコスト削減した時期によって、壊れやすい物もあるんですよ。 そういった車種は弊社に置かないようにしていますし、お客様に聞かれてもお勧めはしていませんとお伝えしますね。
そうすると仕入れが大変ですよね?
オークションで仕入れる事もありますよ。 ユーザーから買い取ったけれど価値が分からないという他店様や、価値が分かる所に売りたいというコレクター様がいれば、弊社の出番なんです。 オークションに出せば50万の 車でも、弊社で買い取りなら倍の価格でお買取した車もあります。 またその逆もあったりしますが、相場はその車のコンディションにもよります。 『綺麗』の品質基準ってお店によっても異なるんです・・・・。
コレクター所有の車はどのように仕入れていますか?
普段は国産車に乗っているけど、ガレージを開けるとベンツやポルシェがズラリという方がいらっしゃるんです。 そういった方にご連絡頂けるネットワークを独自で持っているので、程度も状態も良いものを買い取る事が出来ていますね。
納車前の整備はどちらで行われていますか?
各メーカーの正規ディーラーで行っています。 納車後に関しては、お客様も安く車検や整備をしたいとおっしゃられているので弊社の提携工場をご案内しています。 もちろん記録簿を引き継ぎたいお客様や遠方のお客様には、ディーラーをご紹介する事もありますよ。
遠方のお客様だと車検の時期はどのように対応していますか?
福島、宮城位のお客様だとあまり遠いとお感じになられないんでしょうね。 弊社までお見えになる事もあるんですよ! ありがたい事に、陸送費用をかけてもきちんとして欲しいというお客様が、弊社に車検のご依頼を下さっています。 来られないくらい遠方のお客様には、ディーラーをご紹介しています。
最後に、馬渕代表の考える車の楽しさとは何ですか?
説明書をしっかり読みこまないと書かれていないような開発秘話が好きなんですよ。 なぜ、この車の部品はこの部分だけ柔らかいのか?なぜこの形状になったのか?なぜ長く部品供給が出来るのか?という、作られた車の哲学を知ると面白くなるんですよね。 輸入車は国産車と目指すクオリティが違うと思っているので、そこを感じてもらえると楽しくなると思いますよ!